ぬか床が水っぽくなったときの直し方|水たまりは失敗じゃない
先に答えを置いておきます
ぬか床の表面に水が浮いてきたら、やることは三つです。
- 表面に紙をかぶせて、水を吸わせる
- それでもゆるければ、足しぬかをする(塩も少し)
- においが変わっていたら、しばらく毎日様子を見る
これで、たいていは戻ります。
ここから先は、うちの床の話です。
うちの床にも、しょっちゅう水たまりができる
ふたを開けると、こうなっている日がある。


雨上がりの土にできた、水たまりそのもの。
ぬか床の上だけ、夜のうちに小雨が降ったのかと思う。
手を入れてみると、いつもよりやわらかい。
ふかふかではなく、ゆるい。
でも、慌てなくていいんです。
これは、失敗じゃない。
なぜ水が出てくるのか
ぬか床には塩が入っています。
野菜を漬けると、野菜の中の水分が、塩に引っぱられて外に出てくる。
漬物が漬かるというのは、そういうことです。
つまり水たまりは、ちゃんと漬かっている証拠。
うちの床で特に水が出やすいのは、大根ときゅうり。
どちらも、もともと水分の多い野菜です。
何度も漬けているうちに、出てきた水がだんだん床にたまっていきます。
私のやり方
一、紙で吸わせる
キッチンペーパーでも、晒でも、ガーゼでもかまいません。
私は、使い捨ての紙の洗顔タオルを使っています。
理由は、ちょうど余っていたから。
それだけです。
- 表面にそっとかぶせる
- 数時間ほど置いておく
- べちょべちょになったら取り出して、しぼる
- もう一度かぶせて、上から軽く押さえて水を抜く
一回で吸いきれなくても大丈夫。
何度かくり返すうちに、床の表情が戻ってきます。



二、それでもゆるければ、足しぬか
水を吸わせても、まだゆるい。
ぬか自体も減ってきた気がする。
そんなときは、ぬかを足します。
私はそのまま入れています。
うちには二種類あって、お米屋さんから分けてもらったぬかと、あらかじめ整えてある足しぬか。
その日の気分で使い分けています。
生のぬかは炒ってから、と書かれていることも多いけれど、私はそのまま入れています。
生のぬかには乳酸菌のえさになる栄養がたっぷりあって、発酵が進みやすいから。
ただ、生のぬかは油分が多くて傷みやすいので、冷蔵庫で保管しています。
市販の足しぬかが常温で置けるのは、炒ってあったり整えてあったりするから。
見た目がそっくりでも、生のぬかは別ものです。
実は私も、つい最近まで常温で置いていました。
ぬかを足すと、床全体の塩気がうすまります。
だから塩も少し。
昆布や、野菜の切れはしを一緒に入れることもあります。
三、感覚がつかめないうちは、整えてあるものに頼っていい
最初のころの私は、どれくらい足せばいいのか、まったくわかりませんでした。
だから、市販の、塩やうま味まで整えてある足しぬかを使っていました。
量を気にせず入れられるので、失敗しにくい。
頼っていいんです。
感覚は、使っているうちに勝手に育ちます。
直し方より、気づく力のほうが大事
ここからが、私がいちばん書きたかったことです。
水っぽくなったぬか床は、早く気づけば、紙一枚で戻ります。
気づくのが遅れると、においが変わってくる。
私は、においの変化を黄色信号だと思っています。
そうなったら、冷蔵庫で管理していても、しばらくは毎日ふたを開けます。
ふだんは数日に一度で十分なのに。
気づくために、特別なことはしていません。
見る。水たまりがないか。
さわる。いつもよりやわらかくないか。
かぐ。いつもと違うにおいがしないか。
それだけです。
これ、私が教えている呼吸法とまったく同じなんです。
呼吸を整えるというのは、上手に吸ったり吐いたりすることではなくて、今の自分の状態に気づくことから始まる。
ぬか床も同じでした。
直す技術より先に、気づける感覚がある。
その感覚がある人は、ぬか床を育てるのが楽しくなります。
ついでに白状すると
気づく力の大切さを、身をもって知った日があります。
きゅうりを、漬けっぱなしにしたことがあるんです。
途中で気づいたけれど、「古漬けになるから、まあいいか」と、そのままにしました。
取り出したきゅうりは、発酵が進みすぎたのか、半分くずれかけていました。
ぐちゃぐちゃ。
食べてみたけど、おいしくなかった。
古漬けは、放っておけばできるものではなかった。
私も、かつて放っておいた人です
水たまりができたくらいで、ぬか床はだめになりません。
だめになるのは、気づかないまま、さわらなくなったとき。
えらそうに書いていますが、私自身、二十代のころに祖母から分けてもらった床を、そうやって捨てています。
その話は、こちらに書きました。
→ ぬか床が続かなかった私が、三十年後に祖母の味と再会した話

水たまりに気づけたあなたの床は、もう半分、直っています。
