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現在地を知るということ | 誰かより先に行くためじゃなく、自分の道を歩くため

しぜんのまほう
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先日、拭き掃除をしていて、ふいに気づいたことがあります。

窓を開けて、床を拭いている。

どこも痛くない。

痒くもない。

不快なところが、ひとつもない。

憂いもなく、ただ楽しい気持ちで、雑巾を動かしている。

朝の光を受けて雑巾がけをする女性。机には地図が広げられている。
keko
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――ああ、これが「幸せ」ということなんだ。

派手なことは、何も起きていません。

ただ床を拭いているだけの、日曜の午後です。

でも、本気でそう思いました。

「スッキリした朝」は、年に何日ありますか

少し前に、こんな話を耳にしました。

「朝からスッキリして、今日は一日いい感じだな、と思える日は、 一年に数えるほどしかない」

決して特別な話ではないと思います。

体のどこかが重い。気持ちのどこかが曇っている。

それが「ふつう」になっていて、 調子のいい日のほうが、めずらしい。

多くの人が、そんなふうに日々を過ごしているのかもしれません。

責めているのではありません。

わたしも、何もしてこなければ、きっと同じだったと思うからです。

ただ、そのとき、ふと思ったのです。

もしかすると、いちばん見えにくくなっているのは、 未来でも、世の中の動きでもなく「いま、自分がどこにいるか」なのではないか、と。

地図があっても、現在地がなければ歩けない

道に迷ったとき、必要なものはふたつあります。

地図と、現在地です。

どんなに詳しい地図を持っていても、 自分がいまどこに立っているか分からなければ、 一歩目の方向すら、決められません。

逆に、現在地さえはっきりしていれば、 粗い地図でも、人は歩いていけます。

世の中には、地図があふれています。

こうすれば健康になれる、こうすれば豊かになれる、 これからの時代はこうなる――。

でも、どの地図を手にしても、どこか心もとないのは、 地図が悪いからではなくて、 自分の現在地が、ぼんやりしているからなのだと思います。

いま、自分の体はどんな状態か。

いま、自分の心は何を感じているか。

いま、自分は何を大事にしていて、何に違和感があるのか。

それが分からないまま歩き出すと、 誰かの地図の上を、誰かの速度で、流されるように進むことになります。

現在地は「知ろうとしないと」見えない

現在地は、黙っていても表示されるものではありません。

スマホの地図なら、青い点が勝手に光ってくれます。

でも、自分という地図の上の青い点は、 立ち止まって、内側に意識を向けたときにだけ、灯ります。

わたしの場合、その「立ち止まる時間」が、 呼吸に意識を向ける習慣(静慮)と、 毎日の食を選ぶことでした。

呼吸に還ると、いまの心の状態が分かります。

ざわついているのか、静かなのか。 何かに引っぱられているのか、足元にいるのか。

食を選ぶと、いまの体の状態が分かります。

何を入れると重くなり、何を抜くと軽くなるのか。

派手さのない、地味な習慣です。

でも、この地味な時間が、 自分の青い点を、毎日灯し直してくれていました。

冒頭の拭き掃除の話に戻ると―― 「憂いなく床を拭ける」というあの状態は、 偶然の上機嫌ではなくて、 三十年近く、青い点を灯し続けてきた結果なのだと思います。

だから、これははっきり言えます。

現在地を知る力は、才能ではありません。

習慣です。

いつからでも、誰でも、灯し始められます。

先に行くためではなく、自分の道を歩くため

ここで、間違えたくないことがひとつあります。

現在地を知ることは、 誰かより先に行くためでは、ありません。

「分かっている人」と「ぼんやりしている人」がいて、 前者が勝つ――そういう話に、してしまいたくないのです。

それでは、優劣の物差しがひとつ増えるだけです。

現在地を知ることは、自分の道を歩くためです。

現在地が分かると、 他人の速度が、気にならなくなります。

誰かの成功も、世の中の煽りも、 「それはその人の道」と、静かに眺められるようになります。

そして、時代がどう動いても―― 大きな変化が来ても、来なくても―― 足元が分かっている人は、そのつど自分で選び直せます。

波に乗るために現在地を知るのではなく、 現在地を知っている人には、どんな波も「選べるもの」に見えてくる

順番は、そちらなのだと思います。

今日の現在地を、ひとつだけ

むずかしいことは、いりません。

今日、眠る前に、ひとつだけ自分に聞いてみてください。

「いま、わたしの体は、どんな感じだろう」

重いか、軽いか。どこかが張っているか、ゆるんでいるか。

答えを出さなくていいのです。

聞いてみること自体が、青い点をひとつ灯すことだから。

それが、あなたの地図の、今日の現在地です。

そこから歩く道は、誰のものでもない、あなたの道です。

🌿 現在地を灯す入口を、ふたつ用意しています。

ダルマ天使
ダルマ天使

どちらの扉から入っても、たどり着く場所は同じです。
あなたの、しずかな足元です。

静かな朝の光
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